ま〜さんの音楽歴
・・・ってゆ〜か。。。


第1話 ご幼少の頃
第2話 青春の衝動
第3話 カルチャー・ショック
第4話 そしてさらに・・・
第5話 カンブリア紀
第6話 カントリー・ミュージック
第7話 E KOMO MAI
第8話 スラッキーとの遭遇
第9話 風のメロディー、波のリズム



 
 
第1話 ご幼少の頃

海軍航空隊出身で音痴ではあるが声のでかい父親と、田舎町の女学校出身で音楽好きの母親との間に生まれる。

幼稚園の時にオルガン教室に通い音楽的基礎を養う。
・・・ってゆ〜か。。。
レッスン初日のこと。
先生が音譜の見本を生徒の前で見せて
「はぁ〜い。みなさん、これが音譜ですよ〜。端の席の人から順番にまわしていってね〜。」
といって、順番にまわしはじめた。
やがてその音譜の見本があたしの席にまわってきた。
それを見た。じ〜っと見ていた。
すると先生が言った。
「ま〜ちゃん、いつまでも見てないで、まわしなさい。」
あたしはその音譜をその場でクルクルと回した。。。
「ま〜ちゃん、なにしてるの!早くまわしなさい!」
思いっきり速く回した。。。
教室中大爆笑。。。子供達のつきそいで来ていた母親達も笑いころげてるし。
恥ずかしい・・・というより、
「これはおいしい♪」
と思ってしもた。。。

小学生の頃は、どちらかといえば音楽とは無縁。
・・・ん?そういえば、なにをしていたんやろ、あのころ。。。
習っていたオルガンも祖母に止めさせられてしまった。
祖母によるとオルガンを弾くと肺の病気になるそうな。。。
なんでや(−−;)
父親に買ってもらったおそらく高級品であろう大きなオルガン(教室のオルガンよりはるかに大きく鍵盤の数も多かった。)も近所の教会に寄付してしもた。。。
ならば、体を鍛えよう、ということで
「柔道を習いたい。」
といったが、
「あきまへん!あないな危ないこと。ケガしたらどないおしやす!」
という祖母の一声で却下。。。
結局、家でおとなしく「お絵かき」などをしていると祖母はご機嫌のようやった。
それから、友達の誕生会とか転校のお別れ会とかでは落語やってたな・・・そういえば。。。
ネタは全部自分で考えた。今、思い出すと気絶しそうなくらいおもろないネタや(−−;)
ところが・・・それがまたいつも大ウケやったからミステリーや。。。
 
 
 
第2話 青春の衝動

中学生になると、テレビドラマの青春モンに影響されてサッカーを始めた。
一人前に女の子を意識するようにもなり〜の。
「これが青春じゃぁ〜!」
・・・である。
さて、このあたりからあたしとギターの出会いプレリュードや。
2年生の時の文化祭。
クラスの合唱で、当時流行っていたフォーク・ソングを歌うことに決まった。
クラスに一人、ギターを弾けるヤツがいることが分かり、ギター伴奏することに。
普段はおとなしくて全然目立たんヤツやったが。。。
公務ということで大威張りでギターを携えて登校する彼の周辺環境に大きな変化が生じた。
休憩時間における女子生徒達の分布密度が明らかに一変した。
「ギターの威力はすごい。。。」
と確信した。

さっそく、この魔力を我が手に・・・と、母親にねだって5000円のガット・ギターを手に入れた。
「初心者ならこれがよろしい。」
という楽器店の店員さんの言葉に素直に従ったわな。
次に、家の近所の書店にギターの教則本を買い求めに行った。
何種類かの教則本があったが、クラシックであろうが、フォークであろうが、演歌であろうが、ギターはみんな同じと思っていたあたしにとってはどれでもよかった。
とりあえず「NHKギター教室」という教則本が目にとまって、それにした。
「天下のNHKやったら間違いないやろ。」
その日から虫のように練習しまくった。自己流ながらホンマに練習しまくった。
そのエネルギーの源が源であるゆえ。。。(^_^;)
ところが・・・当初のプランでは・・・
「早くとりあえずカッコつく程度弾けるようになって女の子の前でその魔力を発揮したい。」
・・・やったんやけど、練習すればするほど、ギター自体の魅力に取り憑かれていった。
もう、女の子のことはどうでもよくなってきた。
・・・というのはウソやけどm( _ _ )m
 
 
 
第3話 カルチャー・ショック

さて、あたしがたまたま手にしたのがクラシック・ギターの教則本。
当然必死こいて練習しているのはクラシック・ギターのスタイル。
しかしまだクラシック・ギターとフォーク・ギターの違いを理解してなかったんやな。。。
ある日、ギター弾きの友人(前述の学校公認ギター弾きとは別人)に誘われて、彼の家で一緒にギターを弾いて遊ぼう、ということになった。
ギターを家から持ち出すのは初めてや。ワクワクしながらギターと譜面等を持って行った。
彼はネックの細長いスマートな、いわゆるフォーク・ギターを持っていた。そして、彼の譜面・・・「ヤング・フォーク集」みたいな本を持って来て、その本を見ながらジャカジャカとギターをかき鳴らし歌い始めた。
彼のその譜面・・・を覗き込んで見ると、ギター譜はなく歌のメロディー譜と歌詞が書いてあるだけ。
あたしゃびっくりしたがな。。。
「す、すごい!そんな複雑な和音構成のギター譜、暗譜してるんか?」
「へ?和音て?コード見て弾いてるだけや。」
「コード?なんやそれ?」
「この歌詞の上にCとかGとか書いたるやろ。」
「そんなん見ただけでなんで弾けるんや?」
「なんでゆわれても。。。とにかくコードの押さえ方覚えるねん。」
「譜面もなしで覚えるのんか?」
「当たり前や。オレは譜面なんか見ても全然わからんし。」
「ウソやん。譜面わからんのになんでそんなうまいねん。。。」

そして、さらなるカルチャー・ショックが。。。
彼がレコードを持ち出してきた。吉田拓郎のライブ盤というやつ。
「これ聴いたことある?」
「いや、ないけど。。。」
「ほなかけてみよ。かっこええどぉ〜〜〜♪」
観客の歓声や拍手も入った臨場感タップリのライブ・レコード。はじめて聴いた。
歌もかっこよかったが、なにより惹かれたのは曲と曲の間のシャベクリや。
「最近さぁ、新しいギター買ってさ。ヤマハからギブソンに昇格したな、なんてね。。。」
「おぅ、後ろのベース、チューニング合ってねぇんじゃねぇ〜か?」
などと、軽快にしゃべりながら、自分でステージを進行して行く。
「かぁ〜っこええ〜〜〜!こんなんやりたい!」
レコードのジャケットを見るとコンサートの写真が載っている。吉田拓郎は譜面台を前に置いて演奏している。
「たぶん、この吉田拓郎の譜面にもギター用の五線譜って書いてないんやろなぁ。歌詞とコードだけなんやろなぁ。かっこええなぁ。。。今どき五線譜やなんて、ヤングの間では遅れてるんやな、きっと。。。」
・・・と、この時確信した。
 
 
 
第4話 そしてさらに・・・

それからっちゅうたら、今度はもうフォーク・スタイルの弾き方を虫のように練習したわな。
凝り性なんやな。。。
ジャンジャカジャカジャカ、ジョジョジョンジョ〜ン♪
コードもいっぱい覚えた。
母親が嘆いた。
「前にやってたギターの方がええと思うけどなぁ。。。」
「なにゆ〜てんねん。これがヤングのギターや!」
フォーク・ギターのマネをして自分のガット・ギターに下敷きを切り抜いたピック・ガードを貼り付けたりもした。
母親が嘆いた。
「せっかくのギターにそんなツギ当てなんか貼り付けて。。。」
「なにゆ〜てんねん。これがヤングのギターや!」

自分で歌も作った。たくさん作った。
・・・が・・・これがまた・・・今、思い出したら気絶するくらい恥ずかしい歌ばかりや。。。
あたしの創作っちゅうのは・・・こんなんばっかりやな(−_−;)

ところが、そのジャンジャカ・フォーク少年にまたしても新たな刺激が!
そらまぁ、多感な時期やから・・・刺激のネタはどこにでも転がってるもんや。
ある日、レコードを買いに行った時のこと。今までは全然寄り付いたことのなかった洋楽の売り場で立ち止まった。なんでかわからん。。。
なにげなく、1枚のLPレコードを手にしてみた。
「ジョーン・バエズ・・・ふぅ〜ん。。。」
ジャケットの裏に収録曲が書いてある。
「ん。。。『We Shall Overcome』とか『Donna, Donna』って、なんか英語の授業でやったことあるで。」
なにかに憑かれたようにそのLPを買ってしもてた。。。
家に帰ってさっそく聴いてみた。
There is a house in New Orleans♪
They call The Rising Sun♪
「おぉ〜〜〜!なんちゅうキレイな歌なんや!しかもギター1本の弾き語りスタイルやん♪」
端正なアルペジオに乗せられた美しいメロディーに感動した。涙が出た。
「これや。。。これが求めてた音楽や。。。」
(求めてた・・・て・・・ウソつけ。。。)
とにかく、その1枚のレコードを何回も何十回も聴いた。そしてギターの弾き方のマネもした。歌も覚えた。
(さすがに、声は無理や。透きとおるような美声のその女性シンガーの声色まではマネしようとは思わんかった。)

さらなるミュージック・ワールドへの誘い(いざない)が始まったんや。
高校に入学する頃のことや。まだまだヤングや。
 
 
 
第5話 カンブリア紀

高校に入って、軽音楽部に入った。
ジョーン・バエズを皮切りにアメリカのフォークをガンガンやりだした。
ブラザーズ・フォー、PPM、ピート・シーガー・・・etc.
そのメロディーの美しさと同時に歌詞にも心を動かされた。といっても当時のあたしにとって英語の歌詞を理解するのは大変な作業やった。。。
「英語・・・ちゃんと勉強せなあかんなぁ。。。」
英語の授業はキッチリ受けることにした。

ある日、2時間目か3時間目くらいの時間やったと思うが・・・、軽音楽部の部室へギターの練習をしに行った時のこと。
(授業出んかい!)
先輩が先に来てギターを弾いてた。
(あんたもかい!)
すっごい曲を弾いてはった。ギターの指板の上を指が超スピードで動きまわっている。メロディーは・・・ひとつひとつの音が聴き取れんくらい目まぐるしい。しかもカッコエエねん!
「せんぱい!なんちゅう音楽ですか、それ?」
「ブルーグラスや。ブラック・マウンテン・ラグゆ〜曲や。」
「師匠!それ、教えてください!!!」

かくして、アメリカン・フォークとブルーグラス・・・そして、それほど時を置かずしてさらにブルーグラスと親戚関係、あるいはそれを包含するところのカントリー・・・とアメリカ音楽の世界へと足を踏み込んで行ったんや。
ほんまにその頃っちゅうたらあたしの音楽暦にとっては古生代カンブリア紀みたいなもんやった。
(およそ5億年くらい前、古生代カンブリア紀に地球上の生物の種類が突如爆発的に増えた・・・そうな。。。)

しかし、ロック系の方には行かんかったなぁ。。。どうもエレキ・ギターとケタタマしいドラムスの音は苦手で。。。今でも。。。

さて、高校を卒業して、ありがたいことに親が大学へ行かせてくれる、という。
アメリカ音楽っちゅ〜たら、やっぱり英語や!
・・・てなわけで、関西外国語大学外国語学部英米語学科に入れてもろた。
ほんま、ありがたいこっちゃm( _ _ )m
英会話だけのことやったら、なんも高いお金使こて大学行かんでも、英会話スクールでもよかったんかもしれんが、
「アメリカ製の歌を歌う上で英語っちゅう『言語』の勉強もしたい!」
・・・なんちゅう意気込みもあったんや。
つくづく・・・凝り性やな。。。
 
 
 
第6話 カントリー・ミュージック

大学に入ってすぐに・・・入学式当日に・・・アメリカ民謡同好会(通称:アメ民)なるサークルの門を叩いた。・・・っちゅうか・・・叩くべき門はなかった。いや、それどころか部室もなかった。。。大学公認のサークル活動ではなかったからや。かといって、学内での活動を禁止されているわけでもなく、学内ライブやコンサートをするのに学内の施設も使わせてもらえた。
ただ、公認サークルなら与えられるところの、部室と活動費(クラブ予算)がもらえなかった。
いわゆる弱小サークル・・・ちゅうこっちゃ。。。
サークル名称はアメリカ民謡やけど、実際はほとんどブルーグラス・オンリーやった。
そんな環境の中で、あたしの音楽傾向はどんどんブルーグラス、そしてカントリー系へと進んで行ったんや。
しかし、カントリーばっかりやってたのか、というとそうでもなく、もともと好きやったアメリカン・フォークもやった。ブルーグラス・スタイルでPPMのナンバーをやったり、弾き語りアレンジでブルーグラスのナンバーをやったり。
要はアメリカの音楽が好きやったんやな。(後にはブルーズなんかもやってみる。)

ある日、アメリカ人留学生が大学キャンパスでバンジョーを弾いているのに遭遇した。木陰に座って、ひとりでトコトコトコトコ♪と弾いている。
その音色はあの軽快なカンカラカンカラというブルーグラス・スタイルのバンジョーとは違った。また、ピート・シーガーの弾く迫力のあるフレイリング・ストラム・スタイルとも違った。
それはとても優しく淡々とした音やった。
思わず固まって聞き惚れてしもた。
彼に聞くとクロウ・ハンマー・スタイルという弾き方やそうな。
クロウ・ハンマー・スタイル・バンジョーの虜になってしもたのは言うまでもない。
「Teach me, please!」
・・・またかよ。。。(^_^;)
彼は懇切丁寧に教えてくれた。
お礼に下宿の近くの銭湯に連れて行ってやった。
・・・なんで銭湯なんや(−−;)
彼は大喜びでハシャギまわった。よっぽど銭湯が気に入ったらしい。珍しいアメリカ人や。。。
「Waoooh!Hey!Good looking!」
子供のように歓声を上げる彼の方を見ると・・・女湯との隔壁に向かってピョンピョンしているではないか!
「No!Stooooop!Keep away!アホォ〜〜〜!」

凝り性かつ浮気性かつ貧乏性。。。
だから、自分の身辺にいろんなものがどんどん集まってきて、そして溜まる。。。
フォーク、ブルーグラス、カントリー、オールド・タイミー、アイリッシュ、デルタ系ブルーズ。。。
気がつけばいろんな音楽に手をつけてたわ。
(前述の理由で、ロック系以外。。。)
その中でも一番傾倒したんは、カントリー!

本場のカントリー音楽に触れたくて、地図とギター1本持って一人でアメリカ中西部から南部を旅してまわったこともあったわ。。。
凝り性。。。

その時に、実はハワイ(オアフ)にもちょこっと寄ったんやけど、ハワイ音楽にはまったく興味がない時で、ワイキキのカラカウア通りやクヒオ通りに乱立する日本語で書かれた「ポルノ」「スケベ」「ヌード」等の看板や張り紙を目の当たりにし
「なんと・・・ひどいところや。。。」
と思ったもんや。
1980年頃の話や。あの頃はホンマに日本人向けのそういった類のものがものすご多かったで。。。今はかなり減ってるわ。

大学卒業後の音楽傾向としては・・・ブルーグラス、カントリーというところに安定的情熱を注ぎ続けた。
いや・・・しかしながら、ステージでビル・モンローやハンク・ウィリアムズばかりをやっていたわけではなく、フォークやジャズやアイリッシュも好きな曲はジャンルにこだわらずに自分なりにアレンジを加えてどんどん演奏した。

ある時、ふっと考えたことがある。。。
「あたしはカントリーっちゅうジャンルが好きなんやろか?」
「いや、あたしが好きな音楽がたまたまカントリーっちゅうジャンルに分類されてるんちゃうか?」
「でも、カントリーっちゅうフレイバー的なもんへの嗜好性も確かにあるやん。。。」
「そやけど、PPMとか、やっぱり好きやし。。。」
・・・めんどくさくなって考えるのをやめた。
「あたしが今やってる音楽が好きやねん。それでええやん♪」

ちなみに、本稿では敢えてブルーグラスとカントリーを分けて書いてきているが、あたし個人的にはブルーグラスもカントリーの仲間やと思う。むずかしい定義は知らん。イメージや。
ってゆ〜か実際、音楽のジャンルってそんなにキッチリと分けられるもんちゃうやん。

 
 
 
第7話 E KOMO MAI

ともあれ、カントリー・シンガーとしての活動を続けた。
カントリーやブルーグラス系のライブハウスでレギュラー出演させていただき、また各地のブルーグラスのイベントやフェスなんかにも精力的に出かけていった。
そして・・・わが家の楽器も増えていった。。。(−_−;)
しかも・・・今だ増殖中。。。(−_−;)

さて、いよいよハワイアンの出番やで。突然やけど。。。
そう、出会いは突然やった。
ある日の深夜のこと、ハワイアン・カフェっちゅうとこに初めて行った。
当時はまだあたしはハワイやハワイアン音楽には大した興味はなかった。ただ単に深夜営業していたその店が、深夜まで飲み歩いていたあたしの目に留まっただけのことやった。
「ハワイアン・カフェ?ヤシの木とかが飾ったって、甘〜いスチール・ギターの音が流れとって、首にレイかけたり頭にハイビスカスの花つけたりした店員さんが『アロ〜ハ♪』とかゆ〜んやろな。。。まぁええわ。この時間、他にやってる店もあんまりないし、とりあえずここでも入ろか。。。」
店内に入るとカウンターの中から若い男の子と女の子の二人の店員さんが元気よく声をかけてくれた。
「いらっしゃいませぇ〜♪」
・・・ん?『アロ〜ハ♪』て言わへんやん。。。
ヤシの木も飾ってなかった。店員さんはレイもハイビスカスもつけてへんかった。
甘〜いスチール・ギターの音もなかった。しかし・・・なんやら心地よい音楽が流れとる。
「すんませ〜ん。この音楽って・・・ハワイアン?」
「はい♪そうですよ。イズっていう人です。音楽はお好きですか?」
「うん♪カントリーやってますねん。」
「あ♪それやったら、こんなハワイアンもありますよ。」
明るくフレンドリーな店員さんは別のCDにかけかえてくれた。
ん?あれま・・・これ・・・カントリーみたいやん♪
楽器編成はギターとベースと・・・ウクレレかな?メチャエエ感じやんかいさぁ〜(^^)
そして・・・なんと!ウクレレの早弾きソロも入ってる!これってブルーグラスのフラット・マンドリンのソロと一緒やん!ウクレレってこんな弾き方もするんや!
「かっこええ!このハワイアンかっこええ!なんてゆ〜バンド?」
「ハワイのパロロって言うバンドです。いいでしょ?」
「へぇ〜。。。ハワイアンってゆ〜てもいろんなんがあるんやなぁ♪♪♪」
俄然興味が沸いてきた。
それをきっかけに、そのハワイアン・カフェに通うようになり、いろいろなハワイアン音楽を聴かせてもらった。もちろんわが家にハワイアンのCDが急増していったのは言うまでもないわな。。。
パロロ、イズ・カマカビボーレ、ケアリイ・レイシェル、ロビ・カハカラウ、エイミー・ハナイアリイ・ギリオム、ハパ・・・etc.
20世紀最後の春のことやった。
E KOMO MAI(おこしやす)
 
 
 
第8話 スラッキーとの遭遇

いろいろなハワイアン音楽を聴いているうちに、なんかどうしても気になる音が出てきた。なんともタル〜ンとしたギターの音や。
つまりスラッキー・ギターの音、っちゅうわけなんやけど・・・
実はあたしはスラッキー・ギターっちゅうもんの存在は以前から知ってはいた。

思い起こせば、過去に2度のスラッキーとの遭遇があったんや。
最初は、京都の有名楽器店の書籍売場。そこで「スラックキー・ギター入門」なる本を見つけて、パラパラと立ち読みしたことがあった。
でも、いったいどんな音になるんか、その場でイメージできず、
「ふぅ〜ん。。。ブルーズの変則チューニングみたいなもんか。。。」
・・・と、書棚に本をもどした。。。
その次の遭遇は、東京渋谷のTEXMEX系のライブハウス。(そのお店は今はない。)そこで、なんと生演奏を聴いたことがあったんや。
「なんとも心地よい音や〜〜〜♪」
と感激した。
ライブの休憩時間に、その女性ギタリストと話をすることもでき、
「これはスラッキーっていうハワイのスタイルよ。」
って教えてもらって
「あぁ!これが・・・いつか本で見たスラッキーか!素晴らしい!」
と大喜びした・・・と記憶している。
・・・が・・・しかし・・・当時クロウハンマー・スタイル・バンジョーに夢中になっていたあたしは、素晴らしいと感じたにもかかわらず、そのスラッキーを自分で弾いてみようと思う余裕はなかったんやな。。。残念!
そして・・・3度目の遭遇において、やっとスラッキーが心に引っ掛かってたまらんようになって来た、てわけやな。
(・・・ってゆ〜か、やっとスラッキーの方があたしを受け入れてくれた、ということやろか?)

さあ・・・ほな♪
っちゅうことで、以前に見た「スラックキー・ギター入門」なる本を探したが、すでに廃刊とのこと。
『スラッキー したいときには 本はなし。。。』
(『親孝行 したい時には 親はなし』・・・のメロディーで♪)
しかし、なんと!
ありがたいことに・・・
「スラッキー・ギターをやってみたいねん。」
と、前述のハワイアン・カフェのオーナーさんに相談したところ、
「この本あげるわ。もらいものなんやけど、あたしスラッキー弾かへんし、役に立てて。」
と、「GUITAR PLAYING HAWAIIAN STYLE」という洋書のスラッキー教則本をポ〜ンと譲ってくれた。
うれしかったぁ〜〜〜!!!
「おおきに!わては・・・わては・・・きっと立派なスラッキー弾きになって戻ってまいりますぅ〜〜〜。」
てなわけで、ギター一本サラシに・・・♪
・・・巻いてへん巻いてへん \(−−;)
 
 
 
第9話 風のメロディー、波のリズム

なるほど、なるほど。。。
低い方の弦からD-G-D-G-B-Dとチューニングするんやな。
・・・ん?やっぱりな♪このタロパッチ・チューニングって、ブルーズとかカントリーのギターで使うGチューニングと一緒やん。
バンジョーのブルーグラス・チューニングにもよう似とる♪
てなわけで、教則本に載ってるTAB譜付の曲は案外簡単に弾けてしもた。
・・・いや・・・弾けたように思えた。。。
しかぁ〜し・・・長年カントリーのリズムに慣れ親しんで来たあたしにとって、ハードルはそれほど低くはなかった。
「ハワイのCDの演奏と聴き比べてみると・・・なんか・・・ちゃうで。。。」
「ハワイのCDの演奏技術は一流のんやし、そらまぁ違いはあるわな。」
「いや、ちゃうて。そういう次元の問題違って。。。」
「なんか・・・種類が違う、っちゅうか。。。」
「たしかにCDと一緒に弾いてみると微妙に落ち着きが悪いわな。」
「だいたい、これって、このチューニングにする意味あるのんか?」
「カントリーとどうちゃうのん?」
「ノリがちゃう?便利な言葉やけど、実際どやねん?」
「もうちょっと痩せたほうがええんちゃうん?」
「たしかに最近血圧が。。。」
「酒もひかえんとな。。。」
「ストレスも原因やて。」
「そうか・・・スラッキーってストレスが溜まるんや。」なんでやねん\(−−;)
・・・凝り性の悪い癖や。。。
そして、その凝り性が行動を起こした。
「そうや!またハワイに行ったろ♪」
人生4回目のハワイ・・・スラッキーを始めてから初めてのハワイ。
「ハワイ行ったらなんとかなるやろ♪」
凝り性の割りに楽天的やな(−_−;)

とりあえず、ギターをかかえてホノルル空港に着いた。タクシー乗り場のところでギターをケースから出してスラッキーを弾いてみた。何人か人が集まってきた。
乗り場の係員(?)のおっちゃんがニコニコしながら聞き取りにくいピジン英語で話かけてきた。
「Fah out! Ey, you good playah. I jus' love country music, too! Bah, why you go no try slack key? I tink good fo you, bruddah.」
(おぅ、いいねぇ。あんた、うまいじゃん。おれも実はカントリーが好きなんだよ。でもスラッキーもやってみなよ。気に入ると思うぜ、にいさんよぉ。)
全然スラッキーとは思ってもらえてなかった。。。まだ、カントリーと思ってもらえただけよかったんやろか。。。(−_−;)
ギターを持っては来たものの、人前で弾くのが恥ずかしくなってきた。そしてあせった。。。
とりあえず、行き当たりばったりで来たもんで、ワークショップとかライブの情報を持ってなかった。現地の新聞なんかで情報を探したけど、これ、といったもんはなかった。。。(あとで聞いたら、その時期はあまりイベントやライブがない時期やったそうな。)
でも、なんかせんと。。。なんかをつかんで帰らんと。。。
なかば苦し紛れに、毎晩人気のないビーチでギターを弾いた。ビーチ沿いの大通りの人が減ってくる11時頃から1時あるいは2時過ぎ頃まで。
ただただ、延々弾き続けた。毎晩弾き続けた。

そんなある晩のこと。。。
その日はちょっと弾き疲れてきて、もう惰性的に「ど〜でもええわ〜い♪」みたいな感じで適当に弾いてた。
ふっと気がついたら・・・音が聞こえてへんねん!!!
疲れて耳がおかしいなったんかなと思た。でも、波の音は聞こえる。風がヤシの葉を揺らす音も聞こえる。静かに静かに聞こえる。
ギターの音だけが聞こえへん!弾いてるのに!ちゃんと指は動いてるやん!さっきまで聞こえてたのに!
停電のエレキ・ギターやあるまいし(−−;)
一瞬不安になったけど、
「まぁ、ええか。。。そのうち治るやろ。。。」
・・・って、そのまま弾き続けた、っちゅうか、指を動かし続けた。
ハワイにいると、大らか、っちゅうか大雑把になってしまうな、やっぱり。。。
そしたら、なんとも心地よいねん♪
まるで自分が波の音と風の音を奏でてるみたいな気分でな♪
ホンマに、体が宙に浮くような快感。。。目を閉じたら自分が消えてしまうみたいな。。。
そのうち、風と波の音に混じって、フワァ〜っとギターの音も聞こえるようになってきた♪
もしかして、うとうとしてイネムリして夢でも見たんやろか?なんかの錯覚やろか?・・・たとえ夢でも錯覚でもトランス状態でもええやん。メチャええ感じやもん♪
そのあともギターを弾き続けたんやけど、なぁ〜んか気持ちええねん!
ギターを弾くことがものすご気持ちええねん!
ギターの音が風の音と波の音にゆ〜ったりとより合わされていくみたいで♪
その晩は時計を持ってなかったので何時ごろまでビーチにいたのかは分からん。
でも、ビーチに
「ありがとう。あしたも来るしな♪」
って、日本語で言って、ホテルに帰った。

注:夜のビーチは場所によっては大変危険やし、マネしてトラブルが起きても知らんで。。。
 




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